冠攣縮性狭心症(体験記)

冠攣縮性狭心症とわかってから10年以上。救急車で運ばれたこと、入院、通院、日々の発作のことなど書き残しています。

ごめんねと言われても

ごめんねと言われても
もうこれ以上の採血は許してください



「ごめんね、もう少し採血させてね。ほかの検査でも使うから・・・」信じられませんでした。まだ採血するの?ごめんねと言われても痛さが軽減されるわけではなく。だからといって看護婦さんが悪いわけではなく、というよりも看護婦さんは自分のために採血をしようとしているわけだし。ここはもう一度我慢です。

が、できる我慢とできない我慢があります。狭心症の発作に比べれば採血の痛みなどまったく比べものになりません。しかし薬で発作が収まった後、採血のいたみはこの世のものとは思えない痛さです。そして看護婦さん、あろう事か恐ろしいところをさすりだしたのです。

なんと今度は足の甲をさすりだしたのです。身の毛もよだちました。手の甲と違って足の甲は握りしめることができません。どのように踏ん張ればよいのか皆目見当も付きません。ちょっと足をもぞもぞさせてしまいました。すかさず看護婦さんが「ごめんね、こんなにたくさん。痛いよね〜〜」と声をかけてくれます。恥ずかしい話しですが、すでに目をつむってしまいました。やがてアルコールのひんやりした感じが足の甲全体に広がります。覚悟するしかありません。かなり細い針に代えていただけるようです。少しだけ気が楽になった気がしました。ところがその瞬間またまた恐ろしいことを看護婦さんがしています。

くるぶしの廻りをさすっているのです。いくらなんでも・・・と思っていたら、手はまた足の甲へ。もう一度アルコールの感覚が広がって採血は始まりました。くるぶしは避けられたものの、激痛です。何本採血したでしょうか。もう許して欲しい採血です。今までのところ狭心症の原因は不明、(冠攣縮性狭心症であることはこの後聞かされます)たくさん採血して原因を見つけてくれるんだろうな、と自分を納得させてもベットの上でへろへろ状態です。

どうにか全ての採血が終わりました。さすがに疲れてしまっています。安静って何なんだろう?そんな疑問が頭いっぱいによぎります。結果的にですが、採血はこの場はこれで終わりました。疲れてしまったのか少しだけ眠くなってしまいました。いろいろなことがあってか、気分はすっかり夕方です。が、ここにT先生登場です。ようやくカテーテル検査後のいろいろな話が聞けます。